昨今、急速に普及しているデジタルデバイスは私たちの生活を豊かに、そして便利にしてくれています。
しかし、現在、グーグル効果と呼ばれる『デジタル健忘症』が注目を集めています。
グーグル効果とは、検索エンジンの利用などにより、オンライン上で容易に確認可能な情報について、記憶せずに忘れる傾向を示す現象である。デジタル機器へ保存した情報に対して発生する現象を含めてデジタル健忘症 ともいう。
グーグル効果についての最初の研究では、人々のオフラインでの情報学習能力は変化していないにもかかわらず、オンライン上でアクセス可能な情報だと確信している場合に、具体的な詳細を記憶している割合が低いことを示した。
引用:Wikipedia
上記をまとめると、インターネットで検索して簡単に得た情報は、すぐに忘れてしまう傾向があることが明らかになっているということです。
その原因は、簡単に調べて分かることは覚えておく必要はないと、私たちの脳が無意識に判断してしまうからではないかとされています。
脳トレで有名な東北大学の川島教授のチームが行った実験によると、知らない言葉の意味をスマートフォンで検索した場合と紙の辞書で調べた場合とを比較すると、前者の場合は脳があまり活動しておらず、後者の場合の方が活発に動いていたという違いもあったそうです。
その後、抜き打ちでテストを行ったところ、紙の辞書で調べた言葉は5個中2個の意味を覚えていましたが、スマートフォンで検索した言葉は6個中1つも覚えていなかったそうです。
どうすればデジタル健忘症を避けることができるのでしょうか?
まず方法の1つ目としては、なるべく子ども本人には紙の図鑑や辞書を使わせるとよいでしょう。デジタルデバイスに比べると、紙の図鑑や辞書を使うのは時間がかかって面倒に感じてしまう場合もあります。どうすれば面倒くさいではなく、楽しいと感じられるようにするか、工夫ができるとよいですね。
例えば、調べたところに付せんを貼っていき、それがどんどん増えていくのを楽しむといったやり方をしてみるのもおすすめです。
2つ目の方法としては、「調べた内容を覚えておかないとできないこと」をするとよいでしょう。家にある図鑑や辞書にのっていなくてどうしても検索して調べなければいけないとか、動画メディアで解説を見たいという場合などにこのやり方がおすすめです。
例えば、分かったことをノートにまとめるとか、他の人に説明してもらうとか、あとでクイズをするとかです。
まずはデジタルデバイス以外のツールで分からないことを調べる習慣をつくり、次に調べたことを忘れていないか確認する習慣をつくることが大切です。